ドメーヌ・ブルソー・ペール・エ・フェスのシャンボール・ミュジニー飲み比べです。ドメーヌ・ブルソーは、16世紀からぶどう造りをしていた歴史のある家族経営のドメーヌです。最近まで輸出をしていなかったっ為、日本で見かけることは殆どありませんでしたが、世代替わりして、日本にも輸入されるようになったようです。
先代の13世代目にあたるレミー・ブルソーは、一切輸出をせずドメーヌを訪問する個人客のみに販売していたようですが、息子2人がドメーヌを引き継ぎ、先代を説得しながらスタイルを変えていき、輸出を実現させています。日本では、埼玉の松澤屋が独占輸入しているようです。
所有畑は、1級畑が、シャンボール・ミュジニーが、レ・フェエ、レ・シャトロ、レ・ラヴロット、村名格が、シャンボール・ミュジニーのレ・ナゾワールとジュヴレ・シャンベルタン、コード・ド・ニュイ・ヴィラージュ、他にレジオナルのオート・コート・ド・ニュイ・ブランも造っているようです。
今回は、松澤屋さんから直接購入した2012年と2009年の1級、2012年の村名です。
・シャンボール・ミュジニー1erCru レ・シャトロ(Les Chatelots)2009年
・シャンボール・ミュジニー レ・ナゾワール(Les Nazoires)2012年
・シャンボール・ミュジニー1erCru レ・フェエ(Les Fuées)2012年

レ・シャトロは、シャンボール・ミュジニーのほぼ真ん中にある1級畑です。レ・フェエは、特級畑のボンヌ・マールに隣接する素晴らしいロケーションにあります。所有者で有名なのは、何といってもフレデリック・ミュニエです。他にルイ・ジャッド、ギスレーン・バルトとかでしょうか?レ・ナゾワールは、国道沿いに位置する村名畑です。

何故か、コルクがいずれも少し引っ込んでいます。

裏ラベルです。

シャンボール・ミュジニー1erCru レ・シャトロ(Les Chatelots)2009年

中程度のラズベリーカラー。ラズベリー、アメリカンチェリー。スミレと僅かなドライハーブ香、ベーキングスパイスに下草、林床や紅茶の熟成香が加わります。ファーストアタックには、少し甘さを感じる豊かな酸、中盤は熟度を感じる果実味、ややきめの細かいタンニンが広がります。余韻はやや長め。高い熟度からか少しキャンディっぽさも感じますが、安っぽい風味ではありません。良く開いており、ほぼ飲み頃という感じです。
3.5
シャンボール・ミュジニー レ・ナゾワール(Les Nazoires)2012年

レ・シャトロに比べると濃い色調です。ただ、香りはより控えめで、ブルーベリー、ラズベリー、果実味はややマスキングされている印象です。酸は豊かで、どちらかというとスパイシー感が強いシャンボールです。現時点は、余韻はやや短く、未だ閉じているような感じです。2日目、3日目になると少し甘い果実味が顔を出し始めますが、もう少し熟成が必要なようです。
3.2
シャンボール・ミュジニー1erCru レ・フェエ(Les Fuées)2012年

特級畑を持たないブルソーにあって、フラッグシップ的な畑かと思います。レ・ナゾワール同様、香りは少し控えめですが、こちらの方が、果実味ははっきりしています。色調は、最初の印象は、レ・ナゾワールに比べると、(特に周辺部分が)淡い印象です。ただ、2日目や3日目に見るとやはり、村名格の・ナゾワールに比べて濃く見えます。アメリカンチェリー、ブルーベリー、ブラックベリーの少し黒い果実のニュアンスの香りが入ります。薔薇、ミントっぽい冷涼なハーブ香を僅かに感じます。酸は綺麗で、レ・ナゾワールよりシャンボールらしい女性的な華やかさを感じます。
3.3
予想とおり、2009年のレ・シャトロは、飲み頃を迎えていますが、2012年の2本は、飲み頃に達するまでもうしばらく時間がかかりそうです。

チーズは、同じブルゴーニュのエポワスを合わせました。繊細なシャンボール・ミュジニーとエポワスの独特なウオッシュの香り・濃厚な味わいとの相性はどうかなと思いましたが、豊かな酸がエポワスの風味・旨味を引き立ててくれ、更に、熟成感の混ざる複雑なブルゴーニュの香りとも相性は悪くありません。

セミハードチーズ(グリュイエール、エメンタール、ミモレット)も相性悪くありません。

コラヴァンを使用して3日間掛けて飲みましたが、徐々に柔らかさを増し華やかになってきた印象です。
いわゆるクラシックな造りのブルゴーニュワインという感じですが、華やかでエレガントなシャンボール・シャンボール・ミュジニーさは、十分感じられます。若い息子に代替わりし、輸出を始めて品質も今風のブルゴニューに変化しているようなので、今後も期待したいと思います。
<了>
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