昨年11月、残念ながら亡くなったロマネコンティの共同経営者アンリ・フレデリック・ロック氏が所有するドメーヌ・プリューレ・ロックのヴォーヌロマネ1級畑レ・スショです。ブルゴーニュ赤の当たり年となった2005年ヴィンテージを開けてみました。
ドメーヌ・プリューレ・ロックについて
ドメーヌ・プリューレ・ロックは、アンリ・フレデリック・ロック氏が1988年にヴォーヌ・ロマネに創立したドメーヌです。翌年1989年にはニュイ・サン・ジョルジュにドメーヌを移しています。ロック氏はマダム・ルロワの甥にあたり、1992年からドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)の共同経営者にもなっています。惜しまれながら2018年11月にこの世を去ったロック氏の後を引き継ぎ、2010年から共同経営者として働いていたヤニック・シャン氏がドメーヌを担っていますぷ

プリューレ・ロック ヴォーヌ・ロマネ 1er レ・スショ 2005年
レ・スショは、ヴォーヌ・ロマネ村最大の1級畑で、13.08haあります。プリューレ・ロックが所有しているのは、エシェゾーに隣接する1.02haです。この隣接するエシェゾーの区画は、クロ・サン・ドニという小区画ですが、このプリューレ・ロックが所有するレ・スショと隣接する一部のクロ・サン・ドニの畑をDRCが所有しています。

やや濃いめの艶のあるラズベリーレッド。縁にわずかにレンガ色が入ります。ブルーベリー、ラズベリー、アメリカンチェリー、スミレ、僅かにフェンネルやセージのハーブ香、リコリス、グローブ、ブラックペッパー、バニラ、なめし皮、紅茶、腐葉土の熟成香。アタックは、明確で綺麗な酸を感じますが、中盤は、熟度の高さが感じられる凝縮した果実味に複雑さや力強さをもたらすスパイシー感と熟成香が広がり、余韻は長めです。

昨年末くらいから、飲み頃を迎えていると判断している2005年のヴォーヌ・ロマネは、ラ・ターシュを筆頭に、Jカシューのエシェゾー、シルヴァン・カティアールやラマシュルのマルコンソール等を飲んできましたが、力強さというでは、このプリューレ・ロックのレ・スショが一番の印象です。15年近く経っているにも関わらず果実味は、まだまだ豊かに感じられますが、同時にタンニンも思っていたよりも残っています。お気に入りのヴォーヌ・ロマネ1級の中でも、色々な造り手が造っているレ・スショは比較的飲む機会がありますが、ヴォ―ヌ・ロマネの持つ華やかさはあるものの、やや強めのスパイシーさを感じるとが、しばしば、あります。この畑の特徴なのでしょうか?

脂の多いガッつりしたステーキに繊細なピノノワールは負けてしまいますが、柔らかな赤身肉と凝縮した果実味とスパイシー感の強いピノノワールとの相性は悪くはありません。タスマニア牛ですが、一応シャトーブリアンです。
果実味が凝縮した素晴らしいワインですが、ちょっと早かったかなという印象です。あと5、6年くらい待つと最高の状態になると想像されます。
4.0(ポテンシャルは4.5)
このワインは、リリース時に4~5本購入しています。当時リアルワインガイド誌で絶賛(92~95点)されていたのが、きっかけです。やはり数本購入した2002年ビンテージに比べると結構高くなった印象がありました。当時の2005年の価格は14Kくらいですが、最新ヴィンテージは、40K円を超えているようです。残念ながら、アンリ・フレデリック・ロック氏が亡くなったことで、さらに手が届かないワインになってしまうと思われます。

このDRCのラベルにあるロック氏のサインも2016年ヴィンテージから消えてしまうのでしょうか?
セラーのロック氏のワインももう少なくなっていますが、数年後に、更に華やかさ増した2005年スショをロック氏を偲んで飲みたいと思います。
了
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