バルバレスコ・リオ・ソルド2011年&黒リュフ・チーズ

プロドゥットーリ・デル・バルバレスコの単一クリュ「リオ・ソルド」2011年を同郷のピエモンテ州のチーズ造り名手ベッピーノ・オッチェリの黒トリュフ入りチーズ「クルティン」と合わせてみました。

プロデュットーリ・デル・バルバレスコについて

イタリア・ピエモンテを代表する銘酒といえば、「王のワイン」と呼ばれるバローロと「女王のワイン」と呼ばれるバルバレスコですが、 バルバレスコの歴史は意外に浅く、1894年にバルバレスコ地区の生産者によって設立された生産者協同組合が始まりです(それまでは、バローロとして売られていました)。この生産者協同組合が、プロデュットーリ・デル・バルバレスコ(Produttori del Barbaresco)で今でも50人以上のブドウ生産者が加盟しており、バルバレスコの銘醸畑の4割を所有しています。

今回は、同生産組合が持つ9つの単一キュベのうち最も南に位置する「リオ・ソルド」です。畑は南西向きで、標高230~290メートル。カルシウムが豊富な石灰と粘土の混じる土壌になります。

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プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ
バルバレスコ・リオ・ソルド レゼルヴ 2011年

36ヶ月間大樽での熟成させた後、12ヶ月間の瓶熟成。
バルバレスコの中ではバランスの良く、優雅さを持ったエレガントなキュヴェと言われています。アルコール度数は14.5%。

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中心に少し黒が入ったラズベリーレッド。僅かに縁にレンガが入りますが、それほど色調に熟成は感じさせません。
レッグは結構長く、アルコール度数の高さを感じさせます。
抜栓して直ぐには香りが経たず、30分ほどして、ラズベリー、ダークチェリーの赤系果実の香りが中心ですが、徐々にカシス、ブラックベリーの黒系果実の香りが混ざります。スミレや薔薇、ドライハーブ、リコリス、紅茶、黒胡椒、タバコの熟成香。
最初の一口目の余韻は、やや収斂性のあるタンニンを感じますが、暫くすると、結構細かくシルキーなタンニンの印象に変わってきます。バルバレスコもバローロもタンニンの比較ができるほど、多く飲んでいる訳ではありませんが、10年程の熟成で確実にタンニンは和らいでいるように感じます。

チーズは、ピエモンテ産のベッピ―ノ・オッチェリ(Beppino Occelli)の黒トリュフ入りの牛乳製チーズ「クルティン」です。ベッピ―ノ・オッチェリは、トリュフ入りの発酵バターで有名な造り手のようですが、バローロの酒粕で覆われた「オッチェリ・バローロ」も良く知られたチーズです。当然ながらこのチーズは、バローロやバルバレスコとの相性が抜群です。

今回の「クルティン」ですが、クリーム色の生地に黒トリュフの粒が点々と見られるセミハードチーズです。思ったより、水分を含んでおり、しっとりしたテクスチャーを持ちます。価格は、100gあたり1490円と真空包装のチーズとしては、少し高めですが、トリュフ入りチーズとしては平均的な価格だと思います。

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まさに濃厚なトリュフがミルクに混ざった香りと風味で、インパクトのある味わいです。

バルバレスコと合わせてみます。すると、面白いことにネッビオーロのもつタンニンが、円やかに感じられます。結構濃厚なので、ワインの方が負けると思っていましたが、強めのタンニンと意外に相性が良いことが分かりました。

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▼合わせた料理は、ビーフシチュー。特に少し甘めのデミグラスソースとネッビオーロのタンニンが良く合います。

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ピノノワールラバーにとっては、香りや風味が近いネッビオーロは、親しみを持てるワインですが、若いうちは強い収斂性を感じるタンニンが好みが分かれるところかと思います。

30年以上熟成したバローロの素晴らしさは、何回か経験していますが、タンニンが丸くなる前に果実味が枯れてしまうものもあり、なかなか手を出しにくいところもあります。

流石にリリース直後のバローロやバルバレスコには抵抗がありますが、10年くらいの熟成で未だ果実味のしっかりしたネッビオーロをその特徴的なタンニンと相性の良いチーズや料理と味わうという愉しみ方もありかと思います。

<了>

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この記事を書いた人

1958年東京生まれです。
昨年、仕事をリタイアして大好きなブルゴーニュワインとグルメや旅行を楽しんでいます。
主な資格(Foods&Drinks):
JSA ワインエキスパートエクセレンス
JSA SAKE Dioploma
WSET Level3
CPA チーズプロフェッショナル
唎酒師

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